道の駅めぐりの遠征、宿泊はどうする?1,200駅をめぐった私の答え
道の駅めぐりで遠くまで遠征するとき、いちばん悩むのが「夜どこで寝るか」です。車中泊、キャンプ、ホテル。それぞれにファンがいて、ネット上でも意見が分かれます。
私の答えは最初に書いてしまいます。基本、ホテル泊です。
意外に思われるかもしれません。実は私自身、道の駅めぐりを始めた頃はキャンプ泊も併用していました。それでも全国制覇(1,200駅以上)までの遠征を重ねるうちに、このスタイルに落ち着きました。どれが正解ということではないのですが、毎晩の宿で消耗した経験から私なりにたどり着いた形を、失敗も含めて書き残しておきます。
宿泊の選択肢は実質3つ
道の駅めぐりの遠征での夜の過ごし方は、大きく3つに分かれます。
- 車中泊:いちばん話題に上る選択肢ですが、道の駅の駐車場は「休憩・仮眠」のための場所で、宿泊目的の利用は原則として想定されていません。このルールの実態は道の駅の車中泊の記事にまとめました。
- キャンプ場泊:自由度は高いものの、後述する理由で私は遠征では使わなくなりました。
- ホテル・ビジネスホテル泊:私の結論はこれです。
なぜキャンプ泊をやめたのか
誤解のないように書いておくと、私はキャンプ自体は好きです。今でもやります。それでも「道の駅めぐりの遠征」ではキャンプをやめました。理由は2つです。
理由1:時間を食う
道の駅めぐりには、ほかの旅にはない特殊な制約があります。敵は距離ではなく営業時間。スタンプが押せるのは基本的に日中だけで、1日に回れる駅の数は「何時にスタートできるか」でほぼ決まります(この考え方は完全制覇の計画術にまとめています)。
キャンプ泊だと、設営と撤収でそれぞれ時間を取られます。特に朝の撤収が痛い。寝袋とテントをたたんで道具をまとめ、バイクに積み直すまでで、私はどうしても1時間はかかっていました。そのぶん早起きも必要になります。雨の朝はさらに厄介で、濡れたテントを結局あとで乾かす羽目になり、時間も気力も余計に持っていかれます。積み込んで走り出す頃には、ホテル泊ならとっくに数駅を回れている時間です。
理由2:疲れが取れない
もうひとつが睡眠の質です。冷暖房の効いた部屋のベッドで寝るのと、冷暖房のないテントで寝るのとでは、翌朝の回復度がまるで違います。
道の駅めぐりの遠征は、連日数百キロを移動する体力勝負です。一晩の睡眠の質の差は、2日目3日目にボディーブローのように効いてきます。私の場合はバイクでの遠征だったので、疲労はそのまま安全に直結する問題でもありました。
場所によっては温泉付きのビジネスホテルもあります。走り切った夜に湯船に浸かって、ベッドで寝て、朝すぐ出発する。遠征を「旅程」として見たとき、私にはこれに勝る回復手段がありませんでした。
料金差は思ったより小さい(時期による)
「でもホテルは高いのでは」という反論はもっともです。ここは正直に、時期の話をさせてください。
私が制覇遠征をしていたキャンプブームの頃は、キャンプ場のサイト料が4,000〜5,000円ということも珍しくなく、一方でビジネスホテルの素泊まりが同じくらいの価格で取れる時期でした。冷暖房が効いて、場所によっては大浴場や温泉まで付いてくる。正直、価格で選ぶ理由すらありませんでした。
いまは状況が変わっています。日本オートキャンプ協会の「オートキャンプ白書2025」によると、キャンプ場の平均利用料金は5,246円まで上がりました。一方でホテル側も値上がりしていて、東京商工リサーチの調査では大手ビジネスホテルの平均客室単価が14,463円(2025年度)と、コロナ禍のおよそ2.3倍になっています。
ただしこのホテルの平均値は、都市部や大手チェーンに引っ張られた数字です。道の駅めぐりの舞台になる地方では、手頃なビジネスホテルはまだ十分に見つかります。私自身は、素泊まりでだいたい3,000〜7,000円のレンジに収まるように宿を選んでいます。この価格帯でも、駐車場と風呂はたいてい確保できます。キャンプ場のサイト料に薪代や買い出しを足した金額との差は、数千円というところ。その数千円で睡眠の質と翌朝の1〜2時間が買えると考えれば、駅数を稼ぎたい遠征では合理的な投資だと私は思っています。
制覇者の宿の取り方(実践編)
では実際に、遠征で宿をどう取るか。私が全国をめぐった遠征でやっていた方法です。
順序は「ルートが先、宿が後」
大事なのはこの順序です。ルートが先、宿が後。 先にその日どこまで進めるかを見てから、ルート沿いに宿を取ります。宿を先に取ると、宿が旅程を縛ります。渋滞や寄り道で進みが遅れたとき、遠くの宿に向かって駅を素通りする羽目になる。本末転倒です。
ただし、この原則には例外があります。山間部を走る日です。
道の駅は山の中にも点在しているので、ルート優先で組むと「今日の終着点は山中、最寄りのホテルまで2時間走る」という日がふつうに発生します。こういう日だけは順序を逆にして、先にその晩の宿を決めて、そこに帰着するようにルートを組むほうがうまくいきます。
つまり実際の運用はこうです。平野部や街道沿いを走る日は「ルートが先」、山間部を攻める日は「宿が先」。全国をめぐるなかで、この使い分けに落ち着きました。これは特定の地方の話ではなく、山を走る日ならどこでも同じように宿探しに悩まされました。原則は原則として、地形に合わせて柔軟にひっくり返すのがコツです。
宿選びの条件は2つだけ
私の条件はシンプルでした。
- 駐車場があること(バイクや車の旅では絶対条件)
- 翌朝一番に行く道の駅に近いこと、またはルート沿いにあること
豪華さは要りません。寝られて、風呂があって、朝すぐ出られる。それだけです。
予約は「2〜3日分だけ先に」
長期遠征のときは、全日程の宿を先に押さえるのではなく、2〜3日分だけ予約して、進捗を見ながら次の宿を調整していました。道の駅めぐりの進み具合は天候や道路状況で必ずブレるので、全日程を固定すると計画倒れします。
ただしこの方式には弱点があって、直前予約なので宿が取れないリスクと常に隣り合わせです。私も一度、札幌で痛い目に遭いました。都市部のホテル価格を甘く見ていて、気づいたら手頃な宿が埋まっている。どうにか泊まれる場所は見つけたものの、その晩は宿探しでいちばん消耗しました。
この「ルートを組む→ルート沿いの宿を探す→進捗で調整する」という流れを、当時は地図アプリと予約サイトを行ったり来たりしながら手作業でやっていました。正直、毎晩の宿探しがいちばん消耗する作業だったかもしれません。
その経験がそのまま、みちルートの設計になっています。 みちルートでは、組んだルートの上でそのままホテルを検索できます。「翌朝一番の駅に近い宿」を、ルートを見ながら探す——当時の私が喉から手が出るほど欲しかった機能です。
遠征タイプ別の使い分け
最後に、遠征の規模別に私の使い分けをまとめます。
- 1泊2日の週末遠征:迷わずホテル。設営・撤収のオーバーヘッドが相対的に最大になるのがショートトリップなので、キャンプ泊のメリットがいちばん薄い形です。
- 連泊の周回遠征(3〜7日):ホテル軸で、2〜3日分の先行予約+進捗調整方式。疲労が蓄積するほど睡眠の質の差が効いてくるので、中盤以降ほどホテルの価値が上がります。
- 北海道級の長期遠征:フェリーと宿の計画が旅の成否を分けます。詳しくは北海道遠征プランの記事にまとめました。
キャンプはキャンプで楽しむ
締めくくりに、キャンプ好きとしてひとつだけ。
キャンプをやめたわけではありません。道の駅めぐりとキャンプを分けただけです。駅数を稼ぐ遠征では荷物を減らして疲れを取れるホテル泊、キャンプをしたいときは別で時間を取って、設営も焚き火もゆっくり楽しむ。両方やってみた結論として、混ぜるより分けたほうが、私はどちらも楽しくなりました(個人的な意見です)。
ルートと宿をまとめて組めるようにしたのが、みちルートです。全国をめぐった人間が「これがあれば」と思ったものを、そのまま形にしました。